コケの種類
弱光で西日が避けられ、近くに池があるなど、土質・空気中の湿度・気温・通風などがコケの生育に適しているため、京都の西芳寺が苔寺の名称で有名。コケは数種類を育成すると美観上よい。
コケの分類は、セン類とタイ類に二大別されている。セン類は、根・茎・葉の区別ができるグループでスギゴケがこの仲間。タイ類は葉状体(根・茎・葉の区別)がはっきりしないグループで、ゼニゴケ、ジャゴケがこの仲間。
間違いやすいものにウメノキゴケがあるが、これは地衣類に入り、別の種類。
庭園に用いられるコケには、ヒノキゴケ(イタチノシッポ)、ウマスギゴケ、オオスギゴケ、カモジゴケ、コバノチョウチンゴケ、シラガゴケ類(山苔とも呼ばれる)、スギゴケ類、ナミガタタチゴケなど。
嫌われるコケでは、タイ類のゼニゴケ、ジャゴケ、ヒメジャゴケ、アオギヌゴケ、ハイゴケなどがある。
コケの育て方
1.培養管理
光線、土質、湿度など環境を整えることが培養の第一条件。
モミジなどの落葉樹下では生育がよく、丈の低い灌木類や常緑樹下では育ちが悪い。
露地で育てる場合には、平らな所ではなく凸凹のある場所がよい。排水を考えて、地下7〜8cmの厚さに砂利を入れておくとよく、その上に2〜3cmの厚さに細かい砂と庭土を混ぜた培養土を敷いておく。
庭石や灯籠につける場合には、空中湿度の高い所を選ぶ。
2.コケの育て方
採集してきたコケを固まりのまま張りつけて育てる方法と、乾燥させたコケを手でもみ、粉にしたものを巻き付けて育てる方法がある。
一般的には日当り地でやや乾いた所に育っているものを採集したほうが活着がよく、張る時には、そのまま地表面に置くのではなく、コテなどで軽く押しつけるようにし、霧水をかけておく。美しくなるまで日数がかかる。
苔庭の管理
苔庭は玉石や踏石を配置して苔の上を歩かないように養生する。
地中の過湿は嫌うが、空中湿度は高い方がよい。
雑草は早めに取り除く。
ゼニゴケやジャゴケが発生した場合は、殺草剤のキレダーや、食酢を散布し駆除する。食酢は二倍に薄めて用いるが、他の植物には無害なので最良の方法。
コケには肥料より土と言われており、施肥の必要はなく無肥栽培が建前。